県教育研究集会・教育講演会

県教組と群馬県教育文化研究所は2007年度群馬県教育研究集会を、10月20日(土)、渋川市子持公民館にて開催しました。
 午前中にはテーマごとに4つの分科会を実施、参加者からは、「テーマを絞ったので深まりがあった」と好評でした。

第1分科会

<テーマ:就学指導委員会制度を考える>

 「就学指導委員会制度を考える」分科会は、30人の参加者がインクルーシヴ教育について学習しました。
 講師の「教育の欠格条項をなくす会」の黒須さち子さんは、「分離教育の延長に分離就労・分離生活があるのは当然の成り行き。共生社会の実現にはインクルーシヴ教育が必要不可欠。」と話されました。
特に、就学指導委員会の役割が「障害児の判定、振り分け」になっていることを指摘し、就学指導委員会を廃止して障害児とその保護者の意思が尊重される「就学相談調整会議」を設けた東松山市を例に、分け隔てられることのない教育(共育)の実現に向けた取り組みについて、熱心に話されました。
 その後、参加者から質問や意見が出され、活発な話し合いが行われました。

第1分科会

<テーマ:保健主事制度を考える>


 参加者10名でしたが、一般教職員も数名参加できたのがよかったです。
 学校教育法等には「保健主事は…保健に関する事項の管理に当たる。」「学校保健計画の策定の中心となり…。」と書かれています。平成七年からは養護教諭の兼務も可能となりましたが、養護教諭は学級のこと等わかりにくい部分もあり、保健主事が貴重な相談役なのも事実です。実際相談に乗ってもらい、校務がスムーズに運んでありがたかったという話も寄せられました。
 しかし、養護教諭でなくては、学校保健計画策定の中心になるのは困難です。また、「管理する」という部分が残り、「新しい職」とリンクする懸念もあります。今後、県教組としても継続して取り組んでもらいたいと思いました。


第1分科会

<テーマ:教室の諸問題を考える>


 「教室の諸問題」の分科会では、参加者がそれぞれの学校や市町村での様子を出し合い、意見交換をしました。提案者の笛田さんからは、教育をつかさどるのは教員で、現場の判断が最も尊重されるべきだということが提案されました。
@前橋市では「けやき」と称して、学年通信の内容まで教委が指定し書かせている。
A週案を丁寧に書かせ提出させるところもあるし、書いていない人もいる。
B数学で習熟度別にするか等質グループにするか迷った。教委は習熟度別を求めたが等質編成にした。結果、数学の点数は上がった。
C時間表に1時間上乗せをして〔学力向上〕を図っているところもある。D学年・学級だよりを頻繁に出して(出させられて)いる学校もあるし、出していない人もいる。E毎日、日課表の上乗せで15分くらいのドリルをさせているところもある。
F前橋のように教科担任制を教委の方針でさせられている学校もあるし、学年の考えで自主的にやっている学校、やっていない学校様々である。
 
 情報交換の後、上から画一的に持ち込まれる施策では学校はよくならない。もっと現場の判断に委ねるべきだとの話し合いが進められました。

第1分科会

<臨時採用教職員部学習会>




 臨採部の組合員3人を含め6人が参加しました。
 臨時の人は毎年度末に雇用が切れてしまい、常に次の勤務先を確保することが、給与等の改善とともに、大きな問題になります。校長が本人の希望をもとに積極的に動いてくれることもありますが、往々にして、穴埋めのようにして教育事務所や市町村教委から話があり、それで決まりがちなのが、臨時教職員の方の実感のようです。
 学習会では、@可能な限り本人の希望やスキルを生かすことが、本人のみならず学校にとっても良いことであり、Aそのためには、より多くの臨時教職員の希望やスキルを、市町村教委・教育事務所を超え県全体で把握し、調整するシステムが必要ではないかとの話になりました。

教育講演会

<テーマ:教育改革の方向を考える>
講師:日本大学教授 広田照幸先生


講演会で歓迎の挨拶を行う、北群馬支部・六川支部長



 来賓の内山県教育長からは、「こんな天気のいい日に集まった熱意の
ある教師集団を頼りにしています」との励ましの言葉をいただきました。



「学校や教師を信じる改革を」と訴える広田先生

 教育講演会は一般参加者も含め二百名以上参加し、盛会となりました。 
 講師の日本大学教授・広田照幸さんは「学校や教師を信じる改革を」と訴えました。
 講演を聴いた参加者からは「ゆとり教育から現在までの、教育改革の裏表がよくわかった」「我々ががんばっていることが肯定され、勇気が出た。 保護者や教育委員会、行政の人にもぜひ聞いてもらいたい話だった」「私たちも、現場でできること、組合でできることを考えたい」「教育は目の前の子どもを見て、自分で考えて育てないと、やっぱり行政や社会の都合で振り回されてしまうのだと、強く感じた」「『教育はお金をかければよくなるというわけではないが、お金をかけないとよくならない』は至言である。現在の教員のモチベーションが高まるような教育改革を、という意見に大賛成だ」等の感想が聞かれました。
 これからまた自信を持って学校でがんばれる、という思いを新たにした講演会でした。